暦、忍、貝木、千石の心に刺さる名言を紹介

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「化物語」(バケモノガタリ)を始めとする、物語シリーズ。

世に名言は数ありますが、本作にもたくさんの名言が登場します。

今回はその「名言」を取り上げて行きたいと思います。

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物語シリーズとは?


©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
アニメ「化物語」より引用

 

説明不要の人気作品ですが、かいつまんでご説明すると・・・

暦くんというお人好しの高校生(半吸血鬼)と、怪異に関わった少女達が、それぞれの目的の為に奮闘する物語。

 

不思議な存在「怪異」。

それは体重を奪う蟹だったり、呪いの猿の手だったり、人を道に迷わせる蝸牛だったり。

それらに関わった為に、困っている少女達を暦くんは見逃せません。

 

なぜなら、彼自身が怪異と出会い、半吸血鬼になったから。

そして助けられた少女達も、また人や自分を助ける為に行動します。

 

これは怪異と、人の物語。

 

 

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物語シリーズの名言

そんな「物語シリーズの名言」をご紹介していきます。

 

阿良々木暦と忍野忍の名言

まずは主人公の阿良々木暦(あららぎ こよみ)くんと、相棒の吸血鬼・忍野忍(おしの しのぶ)ちゃんの名言をご紹介します。

二人の、一筋縄ではいかない関係から生まれた会話、そして言葉達。

 

そもそも全ての始まりは、暦くんが瀕死の吸血鬼と出会ったことでした。

血も凍るほど美しい彼女の名前は、「キスショット」。

齢600歳の、伝説の鬼。

 


©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
アニメ「傷物語」より引用

 

ハンターに四肢を奪われ、重症を負った彼女を救う為に、自分の血を飲ませた暦くん。

その為に彼は吸血鬼になり、キスショットの従者になります。

 


©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
アニメ「傷物語」より引用

 

普通の人間に戻る為、彼女の奪われた四肢を取り戻そうと奮闘する暦くん。

共に過ごすうち、二人は親しくなりますが、人間を「食料」として喰うキスショットと人間寄りの暦くんは、なかなか相入れません。

 

やがて、ぶつかります。

「我が許へ戻れ、従僕」

「断る」

 

互いに譲れず、全力で殺し合う主従。

しかし勝利を目前にして、暦くんは彼女の本心を知ります。

それは、暦くんの手にかかって死ぬこと。

 

長い孤独に飽きたキスショットは、死に場所を探していたのです。

暦くんは彼女の望みを叶えず、自分も人間に戻る道を捨てます。

 

すなわち、キスショットを死なせず、力を封じること。

そして半吸血鬼になった自分の血が無ければ、生きられない体にすること。

忍野メメという協力者がいたから、出来たことですが。

 

力を封じられ、「忍野忍」という幼女になったキスショット。

 


©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
アニメ「物語シリーズ」より引用

 

誇り高い吸血鬼ですが、力を封じられ、血を与えられて生きる、いわば飼い殺し状態。

屈辱的な扱いに、暦くんやメメを恨むキスショット改め、忍。

笑顔を見せず、口もきかず。

廃屋の中で、じっと暦くんを睨み付けるのみです。

 

ですが、首を差し出せば、黙って血は飲んでくれます。

すなわち、彼女が生きてくれるということ。

 

自分の行動を「自己満足」とメメに批判されても、それで良いと暦くんは思います。

ここで、一つ目の名言。

 


©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
アニメ「化物語」より引用

「お前が明日死ぬのなら、僕の命は明日まででいい。
お前が今日を生きてくれるのなら、僕もまた今日を生きていこう」

 

これは暦くんが、心を閉ざした忍ちゃんに告げた言葉。

命と心が繋がった二人は、文字通り運命共同体。

 

この時から、暦くんと忍ちゃんの奇妙なコンビが誕生しました。

 

ここまでの経過は、映画「傷物語」三部作で詳しく描かれています。

しかし、暫くは忍ちゃんは心を閉ざしていました。

口をきかず、目も合わせず、じっと睨むのみ。

 

テレビシリーズ「化物語」「猫物語」は、ずっとそんな状態。

 

とは言え、暦くんが絶対絶命な時は影から出て、敵を撃退。

また「ミ〇タードーナツ」を与えた時は、あまりの美味しさに夢中で完食と、少しはリアクションを見せてくれたのですが・・・基本的には、ずっとだんまりでした。

もはや、意地になっていたのかもしれません。

 

しかし、「偽物語」でのこと。

暦くんの妹が怪異に関わった時……入浴中の暦くんの前に、突然忍ちゃんが現れました。

ご丁寧に、裸で。

 

驚く彼に向かい、忍ちゃんは久々に語りかけます。

意地を張るのは止めた、と。

しかし、お互いを許すことは出来ません。

 

ここで、また名言。

 


©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
アニメ「傷物語」より引用

「儂はお主を許さないし、お主も儂を許すことは出来ん。
それでも、歩み寄ってはならぬ理由にはならぬだろうよ」

 

暦くんの影の中で過ごすうちに、彼への怒りも薄れてきたのかもしれません。

彼と感情が繋がっていることも、無関係ではないでしょう。

 

何せ365日24時間、一緒なのですから。

とりあえず、暦くんにシャンプーして貰って、ご機嫌の忍ちゃんでした。

 

和解した二人は、徐々に良いコンビになっていきます。

暦くんにはひたぎさんという恋人がいますが、忍ちゃんはまた違う意味で、彼のパートナーと言えます。

 

そんな忍ちゃんへのあてつけなのか、斧乃木ちゃんという童女が暦くんにキス。

その直後、じっとりした目で忍ちゃんが登場。

「この儂を差し置いて……」

ネチネチ責める彼女の口を塞ぐ為に、暦くんがしたこと。

 

それはなんと、キスで彼女を黙らせることでした!!

おいおい、600歳とは言え、相手は見た目が幼女だぞ?と、思わず突っ込みたくなります。

 

忍ちゃんも慌てて離れ、「なっ、何をするんじゃお前様!イ、イタリア男か!」と、良い突っ込みをしていました(プチ名言)。

しかし満更でもなかったのか、赤くなって丸め込まれてるあたり、忍ちゃんは暦くんに甘いですよねえ……。

 

他にも、美味しいドーナツを食べて「ぱないの!」と、喜びの声を上げたり。

どんどん中身も幼女になっていきます。

可愛いから、オッケーですが!

 

そして「傾物語」で、二人はタイムスリップに挑戦します。

しかし過去から戻る際、誤って別の未来へ来てしまった二人。

 

そこは暦くんが死に、そのせいでキスショットが暴走して滅ぼしてしまった、荒廃した世界(パラレルワールド)でした。

二人は元の世界に戻る為、そして暴走を止める為に、この世界のキスショットに会う決意をします。

 

夜が来るまでの間、浴衣を着て花火をして、束の間の時間を楽しむ二人。

お団子を結って浴衣を着た可愛い忍ちゃんと、彼女と手を繋いで歩く暦くん。

どちらの顔も穏やか。

 

二人は笑みを浮かべて、語らいます。

「死ぬ時は一緒なんだから、生きる時はなおのこと一緒じゃな」

「そうだな」

 

力まず、静かに言い合う彼ら。

これから対峙する相手は、まず敵わない最強の吸血鬼。

何があっても、どうなっても、自分達は一緒だと。

かつて敵対し命を奪い合った二人が、ここまで変わったのか……感慨深く、ジンとした場面でした。

 

やがて忍ちゃんは、元の完全な吸血鬼に戻るチャンスを得ますが、自分の意思で幼女になります。

孤独な吸血鬼ではなく、暦くんの相棒として……。

ここでまた名言。

 


©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
アニメ「傾物語」より引用

「お主の命が今日までなら、儂は明日まで生きよう。
そして、お主のことを誰かに話そう」

 

かつての暦くんの言葉を受けた、忍ちゃんの返事。

なんとも磐石の信頼関係……素敵な二人だなと、改めて感じました。

名言を多く生み出した、吸血鬼コンビです。

 

さて、そんな一風変わったコンビを陰なが荒ささえ続けたのが暦くんの彼女である戦場ヶ原ひたぎさん。

一風変わった暦くんの彼女だからこそ、彼女である戦場ヶ原ひたぎさんも一風変わっています。

一体どんな人なのでしょうか・・・。

 

続いてはそんなひたぎさんの名言について紹介していきます。

戦場ヶ原ひたぎの名言


©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
アニメ「化物語」より引用

 

戦場ヶ原ひたぎさんとは「化物語」を始めとする人気アニメ、「物語シリーズ」のヒロインの一人。

主人公の阿良々木暦(あららぎ こよみ)くんの恋人であり、最初のエピソード「ひたぎクラブ」の、メインキャラクターでもある彼女。

 

見た目は長い黒髪の清楚な美少女ですが、実はアニメ史上に残るヤンデレ、かつエキセントリック少女。

そして危険でいながら、健気で一途という何ともギャップの激しい点が魅力的な女性

 

魅力的なキャラクターがたくさん登場する作品ですが、中でもとびっきりのひたぎさんに翻弄されて下さいね。

斉藤千和さんの淡々とした喋り方も、凄くハマっています。

 

ひたぎさんの初登場は、「ひたぎクラブ」の第一話。

 


©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
アニメ「化物語」より引用

 

階段から落ちた彼女を、偶然暦くんが助けた場面から始まりました。

……と書くと、ロマンチックな印象ですが。

 

実はひたぎさんは、ある理由で体重がほとんど無いという特殊な体質でした。

その秘密を知った暦くんを口止めしようと脅し、凶器を突きつけるひたぎさん。

「優しささえも敵対行為とみなす」という彼女の望みは、「関わらず、無視してくれること」だけ。

 

しかし、そこで退かないのが我らが暦くん。

性懲りもなく追って来た彼に、ひたぎさんは言い放ちます。

「やられたらやり返すというスタンスは、私の主義に反するモノじゃありません」「分かったわ。戦争をしましょう」と。

 

そして取り出したのが、全身に仕込んだ大量の文房具(武器)。

 


©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
アニメ「化物語」より引用

 

早くも、ガチでやり合う気満々です。

その凶悪さに、暦くんも視聴者もドン引き。

 

しかし、ひたぎさんがそういう性格になったのには、ちゃんと理由がありました。

元々の病弱さに、宗教にハマった母親。

体重の無い身体という特殊な境遇に、彼女と家族を狙い群がる、詐欺師達……。

 

彼女が異性を異様に警戒する理由も徐々に判明していきます。

 

色々なモノと向き合い、別れた母親への想いを認めたことで、彼女は失った体重を取り戻します。

暦くんのお節介と、怪異の専門家・忍野メメの手助けによって……。

この時から暦くんはひたぎさんにとっての恩人、そして新しい友人になりました。

 

そんなひたぎさん、友人になったばかりなのに、いきなり暦くんに求愛。

色々な段階をスッ飛ばして恋人になるあたり電光石火の行動力。

 

そして告白の少し前に放った言葉が名言。

 


©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
アニメ「化物語」より引用

「蕩(とろ)けるって凄い言葉よね。
くさかんむりに、湯って書くのよ。
蕩れ(とれ)は、萌えに続くキーワードになるに違いないわ」

 

独特の言葉のセンス。

残念ながら、蕩れは少しも流行りませんでしたが(笑)。

 

互いをよく知る前にお付き合いを始めた二人は、ちょっと変わったペースで少しずつ距離を縮めていきます。

そして互いを知るごとに、少しずつ好きになっていきます。

 

とはいえヤンデレなひたぎさん、浮気をしたら殺すと釘を刺したり、何かと暦くんをビビらせますが。

ひたぎさんに恋をする後輩女子に襲撃されたり、因縁の詐欺師から守ろうとした彼女に拉致監禁されたりと物騒なこと続きですし。

暦くんほどの器が広くないと即、引かれてしまいそうなひたぎさんの過激さ、そして重い愛情。

 

それをしっかり受け止めて返す暦くんは、凄い男なのかもしれません。

時間を経て、様々な障害を共に乗り越え、だんだん夫婦のようになって来た二人。

話によってはひたぎさんの出番があまり無いですが、それでも肝心な時に暦くんが思い出すのは、ひたぎさんです。

 

「終物語」では、相棒・忍の昔のパートナーが突然登場。

彼との対決に備え、走り回る暦くん。

 

忍にとって、自分より以前のパートナーのほうが、より相応しい存在なのでは……悩む暦くんは忙しい合間を縫って、ひたぎさんに電話を掛けました。

「ちょっと、声が聞きたくて……」という彼に、淡々と応じるひたぎさん。

しかし語り口はクールでも、彼女も同じ位、暦くんを大切に想っているのが伝わります。

 

「昔の後輩が自分の前に現れた時、どう思った?」と問う暦くんに、「正直、重いと思ったわ。あの子の気持ちが……でもそれは、あの子の重さに耐えられない私の軽さでもあったでしょうね」と返すひたぎさん。

その想いに相応しい自分である為に努力する必要がある。今も日々、努力中だと話します。

 

「努力しているのよ、これでも……阿良々木くんのお嫁さんになる為に。重い?」

「いや……」

満更でもない暦くん。

 

「もし僕より条件の良い男が告白してきたら、どうする?」と訊くと、「その時は100%乗り換えるわ」と、キッパリ応えるひたぎさん。

「それが言えるってスゲエな」「絆に絶対なんて無いってことを、私は知っている。両親を見て、学んでいる」

彼女の両親は、数年前に離婚しているのです。

 

こんなやりとりがあった後に放った言葉名言。

 


©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
アニメ「終物語」より引用

 

「だから、乗り換えられないよう努力しなさい。という話でしょう」

「特別な人間にはなれなくても、誰かの特別にはなれるでしょ」

「私は、神原(後輩)や阿良々木くんにとって特別な人間であろうと、絶え間なく努力している」

「安心しなさい。貴方は十分特別な人間よ。私にとっても、神原にとっても、忍ちゃんにとっても……」

 

何も言わなくても、彼の悩みを理解しているかのようなひたぎさん。

「彼女ですから。電話してきてくれたこと、とても嬉しかったわ」

 

そして、トドメの一言。

「阿良々木くん、愛してる」

暦くんも応えます・・・「愛してる」

 

もう、この盤石の関係……高校生カップルなのに、長年連れ添った夫婦のようですね。

ただし「帰ったら、もうちょっとこういう話をしよう」という暦くんに「ええ。裸で待ってる」という、アレなコメントで返すあたり……やっぱり、ただ者じゃないです。

 

好きでいてもらう為には、努力しなければいけない。

そんな信念を持ち、実行し続けている。

口先だけではないひたぎさんの、そんな部分が頼もしいです。

 

だからこそ、暦くんんも惹かれるのかもしれません。

やっぱり素敵な女性だし、暦くんとは素敵なカップルです。

大切な相手の為に自分を投げ出してしまう部分も含めて、似た者同士なのかも。

 

さて、続いてはそんなひたぎさんの過去・・・宗教にドはまりしてしまった母親の時代に大きく関わっている「詐欺師」である貝木泥舟が関わった「恋物語」での名言をご紹介します。

殺したいほど憎んでいる貝木泥舟に対し、ひたぎさんは暦くんの命を守るために頭を下げる・・・という何とも奇妙な関係性が生まれるのが「恋物語」。

「恋物語」貝木泥舟と千石撫子の名言

続いては「恋物語」の名言。

「恋物語」の中心は詐欺師の貝木泥舟(かいき でいしゅう)と、少女ながら神となった千石撫子。

 

©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
アニメ「物語セカンドシーズン」より引用

 

木泥舟(かいき でいしゅう)は、物語シリーズにおける重要キャラクターの一人です。

黒いスーツに身を包んだ顔色の悪い中年男性で、その正体は詐欺師。

ヒロインの戦場ヶ原ひたぎにとっては、かつて自分の父を騙した憎い相手です。(ただし、同時に初恋の相手でもあるようですが……)

 

ちなみに、声の担当は三木眞一郎さん。

イケボです。

 

「金は命より大事」を信条とし、嘘ばかりついています。

「恋物語」ではナレーションを務めましたが、もはや反射神経で嘘をついています。

本当のことを言わないのは、詐欺師としての習性のようなもの。

 

しかし同時に不思議な美学も持っており、自分の嘘のせいで沖縄まで行くハメになっても楽しむ事が出来る味のある人物。

 

かつては中学生相手に「噂」を流し、大規模な詐欺を目論んだことがありました。

主人公の暦(こよみ)くんや、仲間たちに阻止されましたが……。

 

ですから暦くんにとっても憎いし、苦手な相手。

同時に、恋人(ひたぎさん)の初恋相手ということで、対抗意識を持っている部分もあります。

 

そんな理由で、彼らの街に「出入り禁止」を言い渡されていた貝木さんですが、ある日ひたぎさんから連絡を受けます。

憎い自分に連絡をするなんて、どんな心境の変化だ?と訝しく思った彼に、ひたぎさんはなんと、詐欺の依頼をします。

「自分と暦くんを救う為に、ある相手を騙してほしい」と……。

 

 

©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
アニメ「物語セカンドシーズン」より引用

 

石撫子(せんごく なでしこ)は、ヒロインの一人。

中学生の女の子で、誰もが振り返るほどの美少女。

 

ただし、極度の人見知りで内気なので、長く伸ばした前髪で顔を隠しています。

そして撫子ちゃんは、友人の兄である暦くんに片想いしています。

彼女なりにアプローチをし、せっせと好意を伝えていましたが、あくまで彼女を「妹の友達」と思っている暦くんは、撫子ちゃんからの好意に気付きません。

 

そんな中、撫子ちゃんは暦くんの恋人・ひたぎさんの存在を知ります。

失恋、おかしな「おまじない」のせいでギスギスする教室、学級委員長の重責。

 

そして暦くんの妹、月火(つきひ)ちゃんに、自分の恋心の矛盾を指摘されたこと……。

暦くんの相棒の童女・忍(しのぶ)ちゃんに、「たまたま可愛くて良かったの」と、辛辣でありながら、事実を指摘されたこと。

 

「私は可愛いけど、それだけ。他には何も無い」

そのことを突き付けられた撫子ちゃんは不安定になり、自暴自棄になってしまいます。

 

何より、自分自身が無意識に可愛さに頼り、何の努力もしてこなかったこと……。

暦くんへの片想いも、自分に都合の良い想いだったこと。

 

その挙句、暦くんの部屋で見つけたお札を飲み込んでしまいました。

結果、神様になった撫子ちゃん。

 

神の力で暦くんを傷つけ、彼らを「殺す」と宣言しました。

心も解放され、気に入らないものを殺すと決めた撫子ちゃん……。

暦くん達の命の期限は、高校の卒業式。

 

それが、ひたぎさんと交わした約束なのです。

自分と暦くん、そして忍ちゃん。

三人の命を救う為、神になった千石撫子を騙して欲しい……。

そう、憎い貝木に依頼したひたぎさん。

 

貝木さんは、なんだかんだ自分に言い訳した挙句、その依頼を引き受けます。(絶対認めませんが、彼もひたぎさんには特別な感情を持っているようです)

 

取り急ぎ彼らの住む街へ向かい、蛇神の千石撫子が住む、山の上の神社を訪ねた貝木さん。

そこに居たのは無邪気でちょっと頭の弱い、およそ神様らしくない撫子ちゃんでした。

 

寂れた神社で「初めての参拝客だ!」と貝木さんの訪れを喜び、「一万円!」と、お布施の多さに大喜びする撫子ちゃん。

 


©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
アニメ「物語セカンドシーズン」より引用

 

神になって心が解放されたせいか、以前の内気さはどこにもありません。

 

そして何より、「大好きな暦お兄ちゃんをブッ殺す!」と、無邪気に語る壊れぶり……。

「殺してしまえば、永遠に自分のものになるでしょう」

そう語る撫子ちゃんに、ふと憐れみを感じる貝木さん。

 

今まで彼女が、可愛い可愛いと周囲に甘やかされ、きちんと向き合ってもらえなかったことを感じるのです。

それは後に、撫子ちゃんの両親を訪ねたことで、確信に変わりました。

 

貝木さんは毎日神社を訪れ、お布施を渡し、あやとりを教え、撫子ちゃんと交流します。

そして、騙せると確信した貝木さん。

 

ひたぎさんに電話をし、「明日、騙す。それで解決する」と告げるのですが……。

通じなかった嘘。絶体絶命の危機に……。

 

そして翌日。

貝木さんは撫子ちゃんに、「暦、ひたぎ、忍は事故に遭って死んだ」と告げました。

しかし……撫子ちゃんは瞬時に「それは嘘」と看破します。

 

貝木さんは「こいつは、誰も信じない」と、自分の見込みが甘かったことに気付きましたが、既に遅い。

夥しい数の蛇を出現させ、貝木さんを押し潰してしまいました。

身動き出来ない貝木さんを、余裕綽々で殺そうとする撫子ちゃん。

 

しかし、貝木さんはそこでとっておきの切り札を出しました。

それは、撫子ちゃんの部屋の、クローゼットの中身。

そこには、決して誰にも知られたくなかった、彼女の秘密が。

 


©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
アニメ「物語セカンドシーズン」より引用

 

それは、撫子ちゃんが描いた、自作の少女漫画がノート何十冊分も……。

「中身を見られた!」と、いつになく動揺する撫子ちゃん。

「けっこうエッチな内容だな」「なんだよ、あのご都合主義な展開は!あんな男がいるかよ」と、ピンポイントで撫子ちゃんの言われたくないことを突きます。

 

動揺極まる撫子ちゃんはテンパり、冷静さをかなぐり捨てて、貝木さんの許へ。

身動きできない貝木さんを、蹴り、殴り、ボコボコに攻撃します。

しかし、そこで殴られながら、貝木さんが言った言葉……

 

それが、今回の名言。

 

【俺は金が好きだ。なぜなら、金は全ての替わりになるからだ。その上で、かけがえの無いものではないから好きだ】

 

【俺はな、かけがえのないものが嫌いだ。
それがなきゃ生きていけないとか、あれだけが生きる理由だとか……
そういう希少価値に、腹が立って仕方がない。
阿良々木に振られたら、お前の価値はなくなるのか?
お前のやりたいことは、それだけだったのか?
お前の人生は、それだけだったのか?】

 

【お前は漫画を描いていることを、誰にも言わなかった。
それはつまり、お前にとってそれが、本当の夢だからだろ】

 

【幸せになることが、人生の目的じゃないからな。
幸せになれなくても、なりたいものになれりゃいいんだ】

 

【才能ってやつがあるんじゃないのか、お前】

 

【なろうと思わなきゃ、なれないんだぜ】

 

【騙されたと思って、チャレンジしてみな】

 

【お前のことは、お前しか大切に出来ないんだぜ】

 

漫画を描く……恥ずかしくて、誰にも言わなかった、撫子ちゃんの本当の夢。

それを追えと、貝木は発破をかけます。

 

命惜しさの苦し紛れではなく、それは嘘ばかりついている貝木さんが、本当に珍しく口に出した、本当の気持ち。

勿体ない、そんなに上手いのに。

目指せばいいだろ、漫画家を。

 

大人から子供に向けた、本当の、生の言葉だったのでしょう。

 

それが通じたのか、撫子ちゃんもふと、珍しく本音を漏らします。

 

【分かった。騙されてあげる】

 

【漫画を描いて、神様って呼ばれた人もいたよね】

 

それは「恥ずかしくって誰にも言えない」漫画家を目指してみよう、と決意した瞬間の台詞。

それをキッカケに意識を失った撫子ちゃんの身体から、とうとうお札を取り出した貝木さん。

 

撫子ちゃんは、晴れて神様から、元の女子中学生に戻りました。

最後に、タイミングよく表れた暦くんとのやり取りと、その後のひたぎさんとの会話が、堪らなくカッコイイのですが……。

 


©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
アニメ「物語セカンドシーズン」より引用

 

出来れば、ぜひその場面も、視聴してみてください。

 

嘘ばかりつく詐欺師が、珍しく真摯に、本当の気持ちを語る……。

だからこそ視聴者の胸を打つし、撫子ちゃんの心を動かしたのでしょう。

 

貝木さん、やっぱり善人じゃないけど、悪人でもない。

変なところでお人好しだし……。

嫌いになれない詐欺師です。

 

しかし、そんな詐欺師も物語シリーズへの登場はセンセーショナルなものでした。

当然、先ほど紹介した戦場ヶ原ひたぎさんも関わってきますが、暦くんの妹である火憐ちゃん、月火ちゃんも関わる事件に絡んでくるため、貝木が完全なる悪役に見えます。笑

その話が物語シリーズの中の「偽物語」。

 

続いてはそんな「偽物語」での阿良々木暦くんと、その妹である火憐ちゃんの名言をお届けします。

「偽物語」阿良々木暦と火憐の名言

「物語シリーズ」は阿良々木暦(あららぎ こよみ)くんを始めとするキャラクター達の、熱い生き様を描く作品。

アニメはもちろん、原作小説や漫画版、ついでにパチンコも大人気。

多彩なキャラクターの中でも、主人公の暦くんと、その妹の火憐(かれん)ちゃんに焦点を当てていきます。

 


©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
アニメ「偽物語」より引用

 

一筋縄ではいかない、この兄妹……その魅力に、ぜひ触れてみて下さい。

 

「偽物語」は、物語シリーズの中の第三作目。

暦くんと恋人の戦場ヶ原ひたぎさん、そして詐欺師の貝木泥沼(かいき でいしゅう)の、因縁の始まりの物語。

 

そしてもう一つのメインが、暦くんの妹の火憐ちゃんと月火(つきひ)ちゃん。

通称「ファイヤーシスターズ」の、正義に関する物語です。

 


©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
アニメ「偽物語」より引用

 

「正義の味方」であろうとする妹達に、中学生を標的にする貝木が近付いて……。

海千山千の詐欺師を相手に、暦くんは恋人と妹を守れるのか。

そしてひたぎさんは犯罪者にならずに(!!)貝木との過去を越えることが出来るのか。

 

物理的に激しい兄妹喧嘩も、見ものです。

 

阿良々木兄妹とは長男の暦くんと、中学生の妹達(火憐ちゃん、月火ちゃん)の三人。

人付き合いが苦手な暦くんに対し、明るく社交的で成績優秀な妹二人。

長女の火憐ちゃんは、空手の有段者で、しかも兄を凌ぐ長身の持ち主。

 

妹二人は「正義の味方」を志し、「栂の木二中のファイヤーシスターズ」を名乗って人助けをしています。

頭脳担当の月火ちゃんに、強さ担当の火憐ちゃん。

人望が厚く友人達に頼りにされていますが、兄の暦くんは渋い顔。

 

「お前達のやっていることは、正義の味方じゃない。正義の味方ごっこだ」と、厳しいことを言います。

そういう暦くん自身も、身体を張って人を助けてしまうので、ある意味似た者同士なのですが。

 

暦くんの住む街では今、中学生の間で奇妙な「おまじない」が流行っていました。

特定の相手を呪うというもので、それが原因で人間関係がギスギスし、トラブルに発展する者も……。

実体は無いものの、かなりの被害者が出ています。

 

暦くんの後輩である、千石撫子ちゃんも被害者の一人。

 

その「おまじない」は、実はある詐欺師が意図的に流行らせたモノでした。

中学生に浸透させ、「呪いを解く方法を知りたければ、金を払え」と、小遣いを巻き上げます。

その詐欺師というのが、暦くんの恋人・ひたぎさんにとっては因縁の相手である貝木でした。

 

犯人に辿り着いた火憐は、勇んで貝木の許に乗り込みます。

しかし貝木は、恐れ入るどころか火憐を煙に巻き、更に「スズメバチ」の怪異を仕掛けました。

 

催眠術なのか、身体が動かせないほどの高熱に見舞われる火憐。

それでも自分の不調を認めないあたり、彼女も相当なモノです。

 

高熱を押して、なお貝木をとっちめに行くと、ふらつきながら歩き出す火憐ちゃん。

止める兄と聞かない妹は衝突し、とんでもない兄妹喧嘩が始まります。

史上最大の兄妹喧嘩。

「お前は今、通常の状態じゃない」という兄に、火憐ちゃんが返した言葉がまた、ただ者ではありません。

これが超絶カッコいい惚れてしまう名言。

 


©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
アニメ「偽物語」より引用

「あたしの状態?ああ、確かに通常じゃない。頭はボヤッとしているし、体中が火照るように熱い。服が今にも燃え上がりそうだ」

「あちこちが痛くて、一歩踏み出すだけで倒れそう」

「眼球から水分が飛んでいるのか、兄ちゃんの姿もマトモに見えやしない。次に瞬きしたら、もう二度と目を開けねえかもしれねえな」

「つまり!!」

「ベストコンディションだ!!!!!」

 

そんな妹に、さすがの暦くんも呆れるやら、感嘆するやら。

「かっこいいよ、お前。妹じゃなきゃ、惚れてたかもな」

 

もうここからは空手の有段者とか、そんな次元じゃないハイパーバトルが……。

吸血鬼体質(すごい身体能力と回復力)の兄が、防御出来ないほどものすごい攻撃をしかけます。

しょっぱなから地面に叩き付けられて、アスファルトにめり込む暦くん(よく生きてますよね……)。

 


©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
アニメ「偽物語」より引用

 

そんな状態でも立ち上がり「救急車に乗るのは、お前だあ!」と飛び掛かります。

 

しかし、火憐ちゃんの実力は桁違い。

まるでアニメのように(アニメですが)超人的な大技を繰り出し、兄を空高く吹き飛ばします。

自分は空中へ飛びあがり、一気に高架の上へ。

 

その一連のアクションの最中に「体が火照るって、なんかいやらしくないか?だって、体がホテルなんだよ!?」と、トンチンカンな迷言まで……。

 

暦くんは突っ込みつつ反撃を試みますが、そんな兄の防御をかいくぐり、嵐のように殴り続ける火憐ちゃん。

何度も血を吐き、足元はガクガク……。

あまつさえ高架の上から地面に叩き付けられ、その衝撃で橋は崩れ落ちます。

 

どれだけ怪力なの。

 

そして、よく人の形を保っていますよね、暦くんも……。

吸血鬼体質の兄をここまでボコボコにする、火憐ちゃんが人間というのが凄いことです。

 

そして、そこまで痛めつけられても屈せず、なお立ち上がる暦くんに、火憐ちゃんは苛立ちを隠しません。

「正義は必ず勝つんだろ?だったら、勝ったほうが正しいってコトでいいんだよな、兄ちゃん!」

暦くんはフラつきながらも「その考え方は危ないよ。正義とは、ずいぶん程遠い」と諭します。
(以下の台詞は、一部省略している部分があります)

 

「兄ちゃんがいつも言ってるじゃないか、偉そうに!お前たちは正しい、でも強くないって」

「正義は必ず勝つんだから、負けちゃダメだ、って」

「あたし達のことを、偉そうに、偉そうに偉そうに!!」

荒ぶる火憐ちゃん。

そこには、自分達の行動を兄に否定された口惜しさ、哀しさも感じられます。

 

そして兄は、それに返します。

これが名言。

 


©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
アニメ「偽物語」より引用

 

「力が強くても、意味なんかねえよ。本物に必要なのは、意思の強さだ」

「お前たちはいつだって、他人の為に動いている。そこにお前達の意思は無い」

「理由を他人に求めるヤツが、正義であって堪るものか」

 

「他人の為に動いて、何が悪い……自己犠牲の、何が悪い。あたし達が偽物だからって、何が悪いんだよ!それで兄ちゃんに、何か迷惑かけたか!」そう喰ってかかる妹に歩み寄り、暦くんは告げました。

手を取り、抱きしめながら。

 

「迷惑はずっと掛けられてる。でも、悪いなんて一言も言っていない」

「劣等感と一生向き合う覚悟があるのなら、例え偽物だろうと、それは本物と同じじゃないか」

「言っとくけど、僕はお前たちが大嫌いだ。でも、いつだって誇りに思っている」

「僕のほうがずっと悔しい。僕の誇りを汚した奴を、許せるか」

「後は任せろ。妹の尻拭いなんて、名誉以外の何物でもない」

 

その言葉に火憐ちゃんは、ようやく全身の力を抜きます。「兄ちゃん。後は、任せた……」

 

そしてバトンタッチされた暦くんは、妹に代わって詐欺師・貝木との直接対決に赴きます。

恋人のひたぎさんと共に……。

 

ここから先の、貝木との「勝負に負けて、試合に勝った」ようなやり取りや、貝木の底知れないしぶとさが、また良い場面なのですが。

今回は主題から逸れるので、割愛させて頂きます。

 

とはいえ「金は命より重い」と言い切る貝木の、独特の人生哲学もまた、興味深いのですが。

たかが兄妹喧嘩、されど兄妹喧嘩。

信念と共に拳をぶつけてしまう阿良々木兄妹はやっぱり規格外だと感じました。

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