強いキャラクターを支えている存在って、いつも圧倒的に貧弱なキャラクターだったりしませんか?
もしくは、とてつもなく明るいキャラクター。
それは男性と女性のように相反するものであり、きっと絶対的に必要な存在なんだと思います。
え?何言ってるか分からないって?笑
じゃあ、この記事を読んでみて下さい。^^
今まで好きになった作品には、高確率である特徴」が登場することに気付きました。
それは、よく
「闇属性の青年と、光属性の少女」
が登場するということ。
そしてその組み合わせに、とても魅力を感じるということです。
ダイの大冒険
改めて考えると、初めてそういったペアに遭遇した作品は、子供の頃に視聴した「ダイの大冒険」でした。
ドラゴンクエストの世界観をベースにした、冒険物語です。
登場キャラクターは皆魅力的でしたが、その中で特に好きだったのは、ヒュンケルという青年と、マァムという少女でした。
二人を含む仲間達は、同じ師に学んだ兄弟弟子同士。
しかしヒュンケルにとって師匠は、養父の敵でした。
後に誤解だと判明するのですが……。
弟弟子達と対立し、戦うヒュンケル。
彼は気絶したマァムを連れ去り、人質として監禁します。
彼と対話したマァムは彼を理解しようとし、ヒュンケルは敵の自分を理解しようとする彼女に戸惑います。
マァムはもともと、明るく優しい、母性を感じさせる女性。
魔物の中で育ったヒュンケルにとって、そんな彼女は不思議な存在だったのでしょう。
戦いの終盤、主人公に敗れ、師匠への誤解も解けたヒュンケル。
傷ついた彼を介抱するマァムに、ヒュンケルは暖かさを感じます。
普段は別行動するものの、一匹狼なヒュンケルが、なんだか気になるマァム。
それは恋ではなく、母性愛に近い感情だったのかもしれませんが。
そしてヒュンケルは和解した弟弟子達の兄貴分として、頼もしい仲間になっていきます。
マァムのピンチに駆け付けて、助けたこともあるヒュンケル。
彼にとってマァムは、初めて義父以外で優しさをくれた、特別な存在なのでしょう。
そんな二人の関係が好きで、子供心に気になっていました。
るろうに剣心
次にそういったペアが登場したのは「るろうに剣心」でした。
該当ペアは、四乃森蒼紫と、巻町操。
蒼紫は、主人公である剣心を敵として狙う敵役です。
死んだ仲間達を想い、戦いの道に突き進む彼は、目的の為に身内を斬ることも構わない、荒んだ男になっていきました。
人の道を踏み外した彼を案じ、一途に慕う操。
彼女にとって蒼紫は、子供の頃から憧れてきた、大好きなお兄さんなのでしょう。
戦いを通じて、蒼紫を正気に戻したのは、主人公の剣心でした。
しかし彼が告げたのは、蒼紫をそれでも慕う、操の様子でした。
危ういところで元の心を取り戻した蒼紫は、待っていた操や、仲間の元に戻ります。
恋愛感情は無いとしても、自分の傍らで嬉しそうな操を、大切に想う蒼紫。
彼にとって明るく健全な操は、平和な日常の象徴なのかもしれません。
「無口な青年と、元気な少女」は、私の好きなペアの一例みたいです。
クールで強いけれど、陰のある青年が、ちっぽけだけど、明るく逞しい女の子に出会い、いつの間にか影響されていく……「美女と野獣」しかり、王道だけれど、惹かれる組み合わせですね。
同種のペアだと、他に「銀魂」の土方十四郎と沖田ミツバさん。
それに、「BLOOD+」の、ハジと小夜なども好きでした。
あと、「とある魔術の一方通行」などに登場する、一方通行(アクセラレータ)と打ち止め(ラストオーダー)も。
恋が実らなかったペアも、主従や家族に近いペアもいますが、彼らの関係がとても好きです。
「犬夜叉」殺生丸とりん
©高橋留美子/小学館・読売テレビ・サンライズ 2000
アニメ「犬夜叉」より引用
そして、まさにその典型とも言えるペアが、「犬夜叉」に登場する殺生丸とりんです。
殺生丸は、主人公の犬夜叉の異母兄で、純粋な妖怪。
作品中最高の美貌と強さを誇り、しかし情を持たない、冷酷な存在でした。
犬夜叉のライバルキャラクターとして、何度も死闘を繰り返してきた殺生丸。
そんな彼ですが、いつも惜しいところで返り討ちにされたり、詰めの甘さを見せていました。
ですが、ある時から孤独な幼女・りんと行動を共にすることになり、少しずつ変わっていきます。
りんは、孤児の少女。
まだ幼いし、特別な力は無いので、殺生丸と敵対する者達の格好の標的になります。
何度も拐われて人質にされますが、殺生丸はその度にすぐ助けに行くし、決して見放しません。
明らかに足手まといですが、それを承知でりんを傍に置きます。
それどころか、部下に命じてお世話をさせたり、さりげない気遣いを見せるようになります。
以前は、人間を虫ケラみたいに殺していた、あの殺生丸が!
テレビの前で驚いた人は、多かったでしょう。
何も枷が無かった頃は、何度も弟に敗北していた彼。
ところが、りんというお荷物が出来て以降は、一度も犬夜叉に敗北していません。
しかも、弟にとどめを刺さずに去ったり……。
自分以外の枷が出来たことで、かえって隙の無い男になったのだとしたら、逆説的で面白いし、興味深いことですね。
りんはちっぽけな幼女だけれど、明るく優しい心と、逆境に負けない逞しさを持っています。彼女と接するうちに、徐々に優しく器の大きな男になった殺生丸。
最終的に、作品最強の大妖怪になりました。
彼が目指していた最強にたどり着くには、小さな幼女・りんの存在が不可欠だったのです。
お互いに無いモノを補い合い、相手を変えていく……そんな二人が、私はとても好きです。
以上が、殺生丸とりんのような関係を築いているアニメキャラクター達。
無敵のような力を手にしている人間を変えるのは「力」では無いと言うことでしょうね。
逆に支えが無ければ倒れてしまいそうな存在こそがあれらには必要なんです。
人間って言うのは、何処まで行っても「ない物ねだり」をする欲深い生き物なのかもしれませんね。^^
コメント