古代から人々の健康と密接に関わってきたハーブで、サルビアに似た花を咲かせることから、別名のように呼ばれることもあります。料理でも大活躍で、肉の臭みを消して風味を豊かにし、ソーセージの詰め物に欠かせません。葉を煎じて健康に良いティーにするのもおすすめです。品種も豊富でガーデニングの素材としても楽しめます。収穫後、さし木で簡単に増やせます。
セージ
別名 ヤクヨウサルビア
科名 シソ科/多年草
原産地 地中海沿岸
草丈 30~70㎝
用途 ハーブティー、料理、ハーブバス、ポプリ、切り花、ドライフラワー、ガーデニング、クラフトなど
ふやし方 さし木、とり木、
病害虫 高温乾燥期に発生するハダニに注意
植えつけ 4~5月、10~11月
開花期 5~6月
収穫期 1~12月
ふやし方 3~4月(さし芽)、9~10月(さし芽)
日照 日なたまたは半日陰
土 水はけのよい乾燥気味の土
水 土が乾いたら控えめに与える
利用部分 花、葉、茎
効能・効用 強壮、収れん、食欲増進、消化促進、抗菌など
育て方
苗の植えつけ
- よい苗を選ぶ…植えつけは春か秋に。ヒョロヒョロと伸びていないがっちりとした苗を選びましょう。
- 苗を取り出す…苗を取り出すとき、茎がやわらかいので、折らないように注意しましょう。
- 鉢に植える…苗を置いてみて深さを調整します。根元がやや高くなるように植えつけると水はけがよくなります。
- 土を入れる…鉢の苗の間にしっかり土入れ込み、苗を安定させます。
- 苗が倒れないようにする…根元に土を寄せて、苗が倒れないようにしっかり植えつけます。
- 水を与える…鉢底からあふれるくらいたっぷり水を与えます。株分けした苗を植え付けた場合は2~3日の間日陰におきましょう。
- 日当たりの良い場所で育てる…苗が根づいたら、日当たりの良い場所に移します。日当たりと水はけがよければ、セージはよく育ちます。逆に湿気がやや苦手なので、水のやりすぎ、梅雨時期などに注意しましょう。水やりは土の表面が完全に乾いたら与えるようにします。
収穫
- 収穫はいつでも…葉は1年中いつでも収穫できます。草丈が30㎝以上になったら、若い葉から収穫していきましょう。下の方の葉は残しておけば、どんどん葉が生えてきます。
- 若い葉を収穫する…若い葉はあざやかな緑色をしています。柔らかいので手で摘み取るようにしましょう。
- こまめに収穫する…成育中はこまめに収穫して風通しを良くしてやります。放っておくと蒸れて病気になることがあるので注意。
- 初夏に開花…5~6月に薄紫色の小花が咲きます。種から育てた場合は、開花は2年目になります。
株の更新
- 株を更新します…株が大きくなったら大きめの容器に植え替えましょう。古い株は根元近くの枝が木のようになってきます。これを木質化といいます。
- 古い枝を切る…茶色くなった古い枝を根元近くで切ります。これを切り戻しといいます。こうすることで株の負担をやわらげます。
- 若い枝を残す…色のよい若い枝を残しておくと、また成長してきて収穫を楽しむことができます。
- 肥料を追加する…切り戻しをしたら、肥料を追加してやりましょう。これをお礼肥えといいます。緩効性の肥料を小さじ1杯ぐらい与えます。
その後の管理
霜が降りる前に根元を保温して
霜にあたる心配のない地域では、葉は残したまま冬越しできます。寒冷地では、根元を藁や腐葉土で覆って、霜と凍結を防ぎ、春になって新芽が伸び始めたら、様子を見ながら、前年の枝を切ります。
葉の利用方法
料理はもちろんのこと、その香りは様々な楽しみ方が可能です。花はタッジーマッジーの材料や、サラダの彩りにも利用することができます。
- 切り花として飾る。
- 料理の飾りやサラダに散らしても。
セージビネガーを作ってみましょう
剪定などで切り落とした葉つきの枝を利用して、香り豊かなセージビネガーを作ってみましょう。
材料
- セージの枝(葉つき)2本
- 酢 200㏄
- ふたつきの密閉容器
作り方
- セージをやさしくさっと洗い、完全に水気を切って乾かしておきます。
- セージを清潔な密閉容器に入れてから、酢を静かに注ぎ入れます。セージが完全に浸かるようにしたらふたをします。
- ときどきビンをゆすりながら、室温で2週間ほど置きます。
- 酢に香りが移ったら、セージをとり除くか茶こしなどでこします。
POINT
- カビが発生する原因となるので、洗ったときの水分は完全にとっておきます。
- セージの風味が足りない場合はセージを足します。
- 逆にセージの風味が強すぎる場合は、酢を足して調整します。
- 出来上がったセージビネガーは、冷蔵庫に保存し、早めに使いきります。
利用方法
シチューやカレーなどの煮込み料理の仕上げに少し入れると、香り高くさっぱりとした風味に仕上がります。
セージの仲間
セージは花のサルビアの仲間で、花色、香り、花姿ともにとてもたくさんの品種があります。一般的なコモンセージのように料理に使うよりかは、ガーデニングの材料として、香りと花を楽しむに適したものが多いです。
- チェリーセージ…赤く鮮やかな花をつけ、主に鑑賞用として利用される。
- パイナップルセージ…葉にパイナップルの香りがあり、切り花やポプリ、サラダなどに。
- ゴールデンセージ…黄色い斑入りの葉が美しい品種。夏過ぎに紫色の花が咲く。
- パープルセージ…葉が紫色に色づく品種。
- クラリーセージ…草丈は1m以上となる大型種。寒さにも強い。
- ボックセージ…青い小花を咲かせる品種。寒さにも強くガーデニングに重宝。
- メキシカンブッシュセージ…主に切り花やドライフラワーの材料として使われる。
- フルーツセージ…葉に触れるだけでフルーティーな甘い香りのする品種。
- マドレンシスセージ…メキシコ原産で草丈が2mにもなる大型種。主にガーデニングに。
- ローズリーフセージ…バラににた葉をもつ品種。濃いピンクの花が人気。
- メドーセージ…美しい青紫色の花が魅力的な品種。主にガーデニングに。
- レオノチスセージ…鮮やかなオレンジ色の花が特徴。主にドライフラワーなどに。
- ペインデットセージ…紫、ピンク、白など、全体が絵の具などを塗ったように鮮やかに色ずく。主にガーデニングの彩りに使われる。
- クレベラントセージ…大きな水色の花を咲かせる園芸種。香りもよい。
- エルサレムセージ…草丈は1m以上となる大型種。夏から晩秋に黄色い花が咲く。
フレッシュセージでおいしい料理
クリーミーはちみつレモンのコールスロー
材料(3~4人分)
- キャベツ…1/4個
- キュウリ…1本
- ハムや鶏ハム…適量
- コーン…大さじ4
- ヨーグルト…1/2カップ
- A
セージ(みじん切り)…大さじ1
ワインビネガーまたは米酢…大さじ4
はちみつ…大さじ2
レモン汁…大さじ2
塩…小さじ1/2
白コショウ…少々
作り方
- キャベツとキュウリは千切りにして塩もみする。
- 鶏ハム、ハムは千切りにする。
- コーンは汁」を切っておく。
- 材料Aをボウルに入れてよくかき混ぜる、最後にヨーグルトを混ぜる。
- 1の野菜を絞って、ハム、コーンと一緒に4のソースで和える。ソースは少し多めなので少しずつ和えていく。
トマトがじゅわっとあふれるイタリアンカツ
材料(4人分)
- 豚ロースの薄切り…16枚
- トマト…1個
- セージ…8本
- クリームチーズ(15gのもの)…4個
- 薄力粉…適量
- 溶き卵…適量
- パン粉…適量
- オリーブオイル…適量
- 塩、コショウ…適量
- 付け合わせの野菜…適量
作り方
- トマトを1㎝幅の半月に切る。
- クリームチーズを半分の大きさに切る。
- 豚の薄切り肉を真ん中で少し重なるように2枚1組にして、トマトとセージ、クリームチーズを置いて巻く。
- 3の表面に軽く塩コショウをふって、薄力粉、溶き卵、パン粉の順につける。
- フライパンでやや多めのオリーブオイルをひいて180℃に熱し、4をこんがりきつね色になるまで揚げる。
食べやすくカットして付け合わせの野菜と一緒に盛りつける。
豚ひき肉とセージのバターロールサンド
材料(8個分)
- 豚ひき肉…150g
- エリンギ…40g
- セージ…1g~
- バター…10g
- マヨネーズ…30g
- マスタード…適量
- 塩、コショウ…少々
- ベビーリーフまたはレタス…適量
作り方
- ボウルにマヨネーズとマスタードを入れる
- フライパンにバターを溶かし、細かく刻んだエリンギをよく炒め、塩、コショウをして、1のボウルに入れる
- 2の空いたフライパンに豚ひき肉を入れ、色が変わるまで炒め、塩コショウをし、細かく刻んだセージを加え更に炒め、1のボウルに入れ、よく混ぜわせる。
- ロールパンに包丁で縦に切り込みを入れ、トースターで軽くあたためる。
- ロールパンにベビーリーフまたはレタスをはさみ、3をのせる。お好みでケチャップをかける。
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