最も人気のあるハーブの筆頭格がこのバジル。パスタやピザなど、イタリア料理には欠かせないハーブですが、フレッシュ(生葉)とドライ(乾燥葉)では、香りと風味が全然違います。新鮮な生葉は、たった1枚摘み取っただけで甘い香りが広がるほどです。これをいつも味わえるのは自分で育てている人だけの特権です。
日当たりさえよければ、育て方も簡単でおすすめです。
バジル
別名 バジリコ/メボウキ
科名 シソ科/一年草
原産地 熱帯アジア
草丈 50~80㎝
用途 料理、ティー、ポプリ、入浴剤など
ふやし方 さし木、種まき
病害虫 アブラムシ、バッタ、ハダニ、ナメクジ、ヨトウムシに注意
植えつけ 4~5月、9~10月
開花期 6~9月
収穫期 3~10月
ふやし方 3~5月(株分け・さし木)、9~10月(株分け)
日照 日当たりの良・場所
土 水はけ・水もちがよく肥えた土
水 土の表面が乾いたらたっぷり与える
利用部分 葉、花
効能・効果 強壮、食欲増進、解熱、健胃など
豆知識
バジルは「王」という意味の言葉からきています。古くからその高貴な香りは王や貴族の香料として親しまれたことからこの名になったといわれ、その歴史は紀元前にまでさかのぼります。バジルにまつわる言い伝えは、国や時代によってもよいものや悪いものも含めると数多くあります。また、和名のメボウキは、種を目に入れると吸収し、異物を吸着するとされたことにちなみます。
バジルの品種
バジルといえばスイートバジルが最も一般的でよく出回っていますが、それ以外にも個性的な品種がいくつかあります。慣れてきたらこれらの栽培にもチャレンジしてみましょう。
- ダークオパールバジル…葉が紫でピンクの花を咲かせます。特にビネガーに漬け込むと、きれいなピンクのビネガーができます。料理にも使えます。
- ブッシュバジル…かなり小型の品種でこんもりとまとまって茂ります。スイートバジルと同じような香りがあるので同じように料理に使えます。
- シナモンバジル…全草にシナモンに似た香りのあるバジルです。葉は緑ですが花は紫色です。ドライフラワーなどに利用してもよいでしょう。
育て方
バジルの種、育苗箱などの容器、3号ポリポット、鉢(5号以上)、培養土、元肥、シャベル、じょうろを用意。苗を植え付けて育てる場合は、苗が購入できるような時期ならいつでも栽培を始めることができます。
種から育てる場合
- 種を用意する…種はとても細かいので、庭などには直接まかず、育苗箱にまいて苗を作ります。光を好むので、土はかけなくてOKです。
- 発芽…バジルが発芽したところ。このころからバジルのさわやかな香りが漂います。葉を少し触ってみましょう。
- 間引き…次々発芽するので、混み合ったところからピンセットで間引きます。双葉が開いたら、葉が大きくしっかりした苗を選びます。
- 苗を掘り上げる…よい苗をシャベルで張り上げます。周りの土ごと大きめにすくいましょう。
- 根をほぐす…絡んだ根をほぐします。まだ根が細かく弱いので、切らないように注意しましょう。
- ポットに植え付ける…3号ポリポットなどに培養土を入れて植えつけます。根を広げるようにして植えると根が早く張ります。
- 苗を整える…株元の土を軽く押さえて高さを調整します。水を、土が崩れないようにやさしく、かつたっぷりと与えて日陰に2~3日置きます。
- 日向で管理する…苗が落ち着いたら、日当たりの良い場所で育てます。種まきからなら、苗を複数作るとよいでしょう。
Check
種まきは暖かくなってから
バジルは、発芽に適した温度は20~25℃と比較的高めです。ですので、3月以前のあまり早い時期にまいても発芽しません。おすすめは4月中旬以降です。なお、4月に種をまくと発芽まで10~15日かかりますが、5月なら7~10日で発芽します。育苗箱に種をまき、間引いてよい苗を選んで育て、大きくしましょう。
苗の植え付け
- 苗を植え付ける…葉が5~6枚になったら、庭や鉢に植え替えOKです。
苗を購入して育てる場合は、このプロセスからスタートです。 - 苗を取り出す…根鉢(根とその周りの土)をくずさない様にそっと苗を取り出して植えつけます。ポットの底穴に指を差し込むと簡単です。
- 土を入れる…鉢と苗の隙間に土を入れ、表面をやさしく押さえてならします。株元が周りより少し高くなるようにすると水はけがよくなります。
- 水を与える…鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水を与えます。勢いがよすぎると土が崩れてしまうので、ゆっくりと注ぎましょう。
その後の管理
植えつけた後は、涼しい日陰に2~3日ほど置いたら、その後は日当たりの良い場所に移します。バジルは日当たりと風通し、水はけ、水もちの良さがキーポイント。これだけの条件が揃えば、気温が上がるのに合わせて、驚くほど早く成長します。ただし、日当たりが悪いと、茎ばかりひょろひょろと徒長してしまい、倒れやすく葉のつきも悪くなります。また、風通しが良いといっても、あまり風が強いと茎が折れやすくなり、水も常に土が湿っていると成育が悪くなるので、土の表面が乾きかけたときたっぷり与えるようにします。
春から夏は成育おう盛なので、10日に1回くらい水やりを兼ねて液肥を与えると大きく育ち、葉もたくさんつきます。
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